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ライフスタイル2026-06-26 公開読了時間: 6 分

日本の健康保険制度ガイド:外国人が知っておくべき加入手続きと保障内容

すべての日本居住者に加入が義務付けられ、医療費の7割がカバーされる日本の国民皆保険制度。健康保険と国民健康保険の違い、自己負担額、帰国時の手続きを解説します。

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日本の「国民皆保険制度」は、世界でもトップクラスの医療保障システムです。日本に住民登録をしている全ての人は、法律により公的健康保険への加入が義務付けられており、引き換えに医師の診断、歯科治療、処方薬などの医療費の70%が国によってカバー(自己負担は原則30%)されます。日本に住む外国人の方がこの健康保険システムをスムーズに利用するためのポイントを解説します。

項目ごとの説明ラベルが付いた日本の健康保険証のイラスト
医療機関を受診する際は常に健康保険証(保険証)を持参してください。現在はマイナンバーカードへの一体化(マイナ保険証)も進められています。

2つの健康保険システム

日本の公的健康保険制度は、主に被雇用者向けの保険と、地域住民向けの保険の2つに大別されます。どちらに加入するかは就労形態によって決まります。

  • 健康保険(健康保険 / 社会保険): 企業や団体で働く会社員が対象です。保険料は給与(標準報酬月額)の約10%前後で、会社と本人が50/50(各約5%)で折半して支払います。企業の健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)が運営しています。
  • 国民健康保険(国保 / Kokumin Kenko Hoken): 自営業者、フリーランス、学生、無職、および企業の社会保険の対象外となる人が加入します。保険料は前年の所得等をもとに、お住まいの市区町村が計算して徴収します。
会社を退職して自営業になったり、失業したりした場合は、14日以内にお住まいの区役所や市役所の窓口で健康保険から国民健康保険への切り替え手続きを行う必要があります。手続きを行えば空白期間なく継続して保障を受けられます。

保障内容:3割の自己負担枠

どちらの保険システムに加入していても、基本的な給付割合は同じです。

  • 一般診療: 自己負担は3割(保険が7割を負担)。医師による診断、入院、手術、虫歯治療などの歯科治療、処方薬の購入に適用されます。
  • 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど): 医療費が高額になった場合、所得に応じた1ヶ月あたりの自己負担額に上限が設けられます。例えば年収500万円の方の場合、1ヶ月の自己負担額の上限は約80,000円です。これを超えた分は保険からほぼ全額がカバーされます。
  • 処方薬: 薬局での自己負担も3割となります。後発医薬品(ジェネリック)の利用が推奨されています。なお、避妊用のピルなどは原則として全額自己負担(自由診療)となりますが、医師による処方箋が必要です。
  • 妊娠・出産: 正常な妊娠・分娩は病気ではないため保険の3割負担の対象外(全額自己負担)です。ただし、出産時には健康保険から「出産育児一時金(しゅっさんいくじいちじきん)」として、子ども1人につき500,000円が支給されます。
持病(既往症)による制限はありません。日本の公的健康保険制度では、過去の病歴や健康状態を理由に加入を拒否されたり、保険料が高くなったりすることはありません。これは法律で保障されています。

保険料の目安

毎月の保険料は、加入する制度によって大きく異なります。

  • 会社員(健康保険): 給与から自動控除されます。年収500万円の場合、従業員側の自己負担分は月額約20,800円程度(同額を会社が負担)です。
  • 自営業(国民健康保険): お住まいの自治体から送付される納付書や口座振替で支払います。年収500万円(新宿区在住と仮定)の場合、毎月の保険料は約35,000〜40,000円程度になります。会社負担分がないため、会社員に比べて自己負担分が高くなる傾向があります。
  • 被扶養者: 会社員の社会保険の場合、扶養している配偶者や子供には個別の保険料はかからず、世帯主の保険料のみで全員分の保険証が発行されます。

年一回の健康診断(定期健診)

日本の会社は、法律に基づき全てのフルタイム従業員に対して年一回の健康診断(定期健康診断)を無料で受診させる義務があります。これには血液検査、尿検査、胸部レントゲン、身長・体重・血圧、視力・聴力検査などが含まれ、勤務時間中に実施されます。自営業等で国民健康保険に加入している場合も、各市区町村から格安(通常5,000円〜8,000円程度、一部無料項目あり)で受けられる特定健康診断(メタボ検診など)の案内が届きます。

日本の病院・クリニックの受診方法

  1. クリニック(診療所)を探す: 風邪などの日常的な病気の場合は、大きな病院ではなく、まずは地域の身近なクリニック(内科や耳鼻科など)を受診するのが一般的です。JNTO(日本政府観光局)の外国人向け医療機関検索サイト等で多言語対応の病院を探せます。
  2. 保険証を持参する: 初診時および毎月最初の受診時には、必ず健康保険証(またはマイナ保険証)の提示が必要です。忘れると一時的に全額(10割)自己負担となる場合があります。
  3. 窓口で会計する: 受診後、会計窓口で自己負担分の3割をその場で支払います(後日請求書が郵送されることは基本ありません)。
  4. 処方箋を持って薬局へ: 多くのクリニックでは院外処方となっており、受診後にもらう処方箋を調剤薬局(薬局)へ持って行き、そこで薬代(3割負担)を支払って薬を受け取ります。
都市部には英語対応が可能なクリニックが数多く存在します。東京都の医療機関案内サービス「ひまわり」などを通じて検索することができます。また、夜間や休日などの救急時の相談窓口として、多言語対応の「#7119」(救急相談センター)が利用可能です。

日本を離れる(本国に帰国する)際の手続き

日本から転出する際、出国予定日をもって健康保険の資格を失います。会社員の場合は会社に保険証を返却し、国民健康保険の場合は転出届を提出する際、役所の窓口で保険証を返却して最後の保険料の精算を行います。日本の健康保険には中途解約に伴う掛け金等の返還金(還付)はありません。将来再び日本に中長期滞在する住民として戻ってきた際には、再度新たに加入することになり、過去の未加入期間等は考慮されません。


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